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なつかしのトマトサラダ

昔、仲間とよく集まった店がある。
メールどころか携帯電話も無かった頃
今日はいつもの店で集まってるからと
職場に先に集まってる仲間から電話が来た。
今思えば、連絡を取り合うのも待ち合わせも簡単じゃなかった。
だから、決まった店で待ち合わせするのが一番確実だった。
もう今ではお店はなくなってしまったし
仲間が全員揃うことはない。
だけど、その時のメニューは今でも覚えてる。

なつかしのトマトサラダ_f0014391_20361335.jpg


いつも頼んでたのはこのトマトのサラダだった。
イタリアンドレッシングに漬け込んだ
刻んだ玉ねぎと薄切りのトマト。
たぶん、お店のは市販のドレッシングだったと思う。
今の私が作るのは、庭のハーブを刻んで混ぜ合わせた
刻んだ玉ねぎのドレッシングで。
たまに懐かしくなって食べたくなる。
店の片隅には、お客さんたちを撮ったスナップ写真があって
その中に私たちの写真もあった。
あの写真はどうなったんだろうか・・と考えながら。






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そんな仲間たちとの久しぶりの再会。
今の近況や悩みを話しながらも彼らと過ごす時間は
一気にその頃の自分に戻る。
父や母としての普段の顔も40代の責任ある立場も
店の外に置いて20代の自分に戻るのだ。
それぞれの記憶を重ね合わせれば
海沿いの高速道路を走りながら聞いた流行りの歌
ゲレンデの頂上で飲んだ冷えたビールの味。
わくわくするような楽しかった気持ちや
自分だけが抱えてた酸っぱい気持ちも。
普段は記憶の彼方へ追いやったいろんな瞬間と
その頃の気持ちを思い出す。

たぶん、それは私だけではなくそれぞれに
そんな時間だったのだろうと思う。
もう今ではどんなシーンも受け止められて
あれは良い時だったと思い返せることが
あの時間があったから今があるのだと思えることが
二十年という歳月なんだろう。


人生の中できらきらと輝く時間が誰にもある。
その時には輝くとは知らずただ通り過ぎてたように見えた時間は
年を重ねるごとにかけがえのない宝物だと気づく。


お店を出て、それぞれの生活に戻る。
いつしか自分の子供たちも同じように
良い仲間と出会えることを願う
母や父の顔になって家に帰っていく。

今日もランドセルを放り投げて
いつもの仲間が集まる場所へと出かけていく息子は
楽しさも苦しさも悔しさも喜びも分かち合える時間を
若かった頃の私のように積み重ねていくのだと思うと
戻れない時間を楽しんでおいでと送り出したくなる。
きっと、いつか宝物になるかけがえのない時間を共有する
友達たちのはずだから。
by himawari_August8 | 2011-06-15 21:45 | Life

毎日の中の小さな幸せ


by himawari
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