秋の骨董市で
2009年 10月 05日
先日、出かけた骨董市にて
古い鉄瓶を見つけました。
南部鉄瓶のようなどっしりとしたものではなく
小ぶりで軽く、まるで片口に弦をつけたようなデザインが
いいなと思ったのです。
やかんとして使えなくもないのだけど
これは最初から花を活けようと思いました。
我が家の前にたくさん芽吹いてきた秋桜や
実が色づき始めた南天
もう少し寒くなったら藪椿なんかもいいかなと。
この日は、欲しかった絵柄の染付けの器にも出会えました。
一度、迷ってその場を離れ、やっぱり・・と戻ったときには
もう他の人の手に渡っていたというのがこの手前の茶碗。
時々同じものを見かけることがあっても欠けていたりして
なかなか、これと思うものに出会えなかったのだけど
五客分揃い、値段も申し分なく手頃でした。
私が探しているものが、希少価値的な珍品ではなく
大衆的なものというのもあるのだろうとは思いますが
イメージしておくと時間はかかっても、また出会えることがあります。
だから、つい通ってしまうのですけど。
奥は蓋付きの茶碗。
家紋みたいな模様が新鮮で現代的な感じもして一目ぼれ。
私がただひたすら使える器をじっくりと探している横で
初老の男性が、朽ちた彫り物を丹念に見ていました。
いつも思うのだけど、骨董市っていろんな人の価値観が集まる場所であり
隣の人の価値観は自分にとって不可解だったりします。
古いものを巡る中には黒々しいまでの欲が渦巻くこともあるだろうけれど
子供のように目をきらきらとさせながら包んでもらった後
立ち去った男性の後姿は、幸福感を漂わせていました。
なんだか、いいなぁと思いつつ、私も肩にかかる帆布のバックの
ずっしりとした重くなった分、幸せを担いでいるのかもしれないと
思うのでした。