いちごパフェ
2005年 02月 02日
パフェだったと思うのは私だけではないと思う。
幼なじみのりょうちゃんは男なんだけど高校生になっても
喫茶店に行くといつもチョコレートパフェを頼んでた。
大きい図体をした坊主頭の男の子がまさかパフェを頼むなんて
喫茶店のお姉さんも思わないようで
コーヒーを頼んだはずの私の前に置いてしまったり。
りょうちゃん自身もパフェを頼むことが恥ずかしかったらしく
お姉さんが立ち去ってから奪い取るように自分の前に置いて
大きい体を縮こめるようにして食べてた。
私ともうひとりの幼なじみであるエミちゃんは今でも
チョコレートパフェといえばりょうちゃんだよねぇ・・といつも笑う。
「お前たち、人に言うなよな。オレがこういうのを食ってるなんて。」
生クリームとチョコレートソースがかかったバナナを頬張りながら
釘を刺すりょうちゃん。
かっこつけたい年頃で普段は硬派で通ってるはずのりょうちゃんの秘密。
やっとの思いでこぎつけた憧れの彼女との初デートでは食べたかったけれど
我慢したことも私たちは知っている。
いい大人になって、もうとっくにパフェは止めたのかと思ってたけれど
今でも相変わらず食べたくなるものらしい。
そしてそれを食べてるりょうちゃんを微笑ましく見つめる
パートナーがやっと現れてくれて、りょうちゃんにも遅い春がやってきた。
熱があって冷たいものが欲しがる息子に作ったパフェ。
息子はチョコレートパフェよりもいちごパフェのほうが好き。
この前作ったべりーのジャムといちごをのせてコンデンスミルクをたらした。
柄の長いスプーンも高さのあるパフェグラスも食べ易くはなくて
座っては食べられずお行儀が悪いけれど椅子から立ち上がって食べた。
でもこんなに小さな息子もいつかのりょうちゃんみたいに体を丸めて
食べるくらいに成長するんだろうなぁ。